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今際の際まで笑わせて

久間健裕のブログ

終わり良ければすべて良し精神

雑記

とあるお芝居を観た。

 

開始から5分、とてもドキドキした。

それから115分、なんとも言えない気分になった。

 

つまらないとかでもなく、なんだろう。どうしたらいいのか分からなくなった。

 端的に言えば、つまらなかったのか。

 

僕はどんなものでも、終わりが一番重要だと思っている。

モーリス・ラヴェルの大名曲「ボレロ」の、ラストでズバンっと曲が終わり、観客から拍手喝采が湧き起こるような、あんなラストが大好きだ。

 

映画やドラマなら、観終わった後にスッキリするものが好きだし、自分が書く作品は、ラストシーンを最も重視するように心掛けている。それは何もハッピーエンドじゃなくても構わない。たとえバッドエンドであろうと、そこに必然性があり、なおかつ美しく幕が降ろされればそれでいいと思っている。

逆にラストに謎を多分に残されると、魚の骨が喉に刺さっているような異物感を感じてしまう。「ご想像にお任せします」系の物語は、正直あまり好きではない。

 

なので、僕が好む映画は大体が分かりやすく、伏線は鮮やかに回収され、美しいラストシーンを迎えるものが多い。僕はどんなに道中が楽しくても、ラストの締め方の良し悪しで作品を評価してしまう癖がある。というか、それが判断基準のひとつなのだ。

 

作品の解釈を観客に委ねるのは、一人ひとりに作品を掘り下げさせることで、その内容を深く心に残すテクニックのひとつだ。そこは否定しない。

ただ、僕は思う。笑わせるのもいい。泣かせるのもいい。怒らせたり、怖がらせたりするのもいいだろう。しかし、困惑させるというのはいかがなものだろうか。

 

笑わせ泣かせ、観終わった後に観客が晴れ晴れと、でも少し名残惜しそうな表情で劇場を後にする。そんなお芝居がつくりたい。

それが僕なりのエンターテイメントなのだ。